#杉浦日向子 さんは個人的に知っていた訳ではないが,日本に移住してから「お江戸でござる」を彼女のために欠かさず見ていたので,なんとなく親しい人の一人のような気がしている.亡くなる少し前の回で,さるすべりについての話題が出たことがあった,彼女がさるすべりは元気に花を咲かす木で,というような話しをしても,対談の相手は誰も「百日紅」が彼女の代表作の一つだと知らないような無反応で,そういう演出だったのかもしれないが見ていて悲しくなった.
彼女は多分病状がいよいよ重くなっときクルーズ船で世界旅行をするので,という理由で番組を降りた.ドイツのテレビの刑事物シリーズでは,役を降りる人が,ドラマの中で殉死することが多いが,こういうのを Serienmord (連続殺人) にかけて Serientot (Serie はシリーズの意味もある) という.(東)ベルリン が舞台になっている,刑事物シリーズでは,長い間脇役をやっていた人が,役を降りるときに,長年の夢をかなえて,ヨットで世界旅行をするという話になって Treptow かどこかからヨットで出航するシーンが挿入された.これを見て,日向子さんのことを思い出したのだった.実は,新倉俊一の最後の詩集のことも書こうと思ったのだが,字数が尽きたので,それは続きで書くことにする.