トカゲの具合が悪い話
8歳になったばかりのうちのフトアゴヒゲトカゲの腹の具合がわるい。
飼育下での平均寿命は超えていて、もう三年くらい前から、だんだん歩きかたがおぼつかなくなってきていた。半年くらい前からはうまく動かない脚もあったりした。それでも食欲だけはあり、餌を見せたときにはつまずきながらも駆け寄ってきていた。それが、一週間ほど前から少しずつ食べる量がへり、ここ4日、毎日ちょっとだけ糞をして、今日はとうとうなにも食べなかった。糞もいつもなら一週間に一度、大きいのをするタイプだった。今はちょっとずつの糞をするたび喉を黒くしたりして、不快そうだ。爬虫類は表情がないのだろうとは思うが、わたしには目がうつろに見える。爬虫類は急に具合が悪くなって逝ってしまうことが多いらしい。大きい病気をせず、でも買ってきたときから腹にはコクシジウムという寄生虫(原生生物なので顕微鏡でないと見えない)がいて、時々お腹の調子を悪くすることはあった。それも、若かったから回復力があったのかもしれない。
5月になると、外に出して日光浴をさせてやれる。太陽のギャンギャンの紫外線を浴びさせてやりたいなあ。
トカゲの具合が悪い話 3
今日もよくない。このままもしかして…と思う。そこまでわたしができることもない。朝に水に混ぜた薬を飲ませて、室温をチェックし、ときどきペットカメラで様子をうかがう。今日は顎を上げる以外はまったく動かなかった。薬を飲ませた直後は、こぎざみな腹の痙攣があり、痛いのかなと心配になった。病院に連れて行くにも主治医は遠くて、もう連れ出されるストレスのほうが、治療で得られる効果より高いんじゃないかと思う。爬虫類は哺乳類よりも自分がなにをされているかわからないし、ストレスが紛らせられずにダイレクトに体に出る気がするから、治療も最低限にしてやりたい。苦しそうに「見えてしまう」「見てしまう」ということが、人間の面倒くさいところだ。