2000年代の紙もの(展示のフライヤーとか)を整理していて、あるファッションブランドが作ったzineみたいなのを見返していたら、現代美術家のトークショーの抜き書きが載っていた。
当時、話題になっていた耐震偽造マンションや災害について、露悪的におもしろがってアートにしている様子が語られている。
聞き役?の二人は、現代美術家の話をただ笑って、おうむ返ししているだけだ。
現代美術家はいまでも活躍している。Twitterにもいたし、わたしのフォロイーも何人かフォローしている。
このころのアート界隈のノリみたいなものなのかなぁ、わたしも当時は美大生真っ盛り、こういうノリでいたかもしれない……と振り返り、なんだかいやになってしまった。
いいわけがましいが、そのzineは本物の新聞のように作られており、内容というより形態に惹かれて保管しておいたのだろう。でももういいやと思って、一枚ずつバラし、油なんかを吸う用にキッチンのひきだしへしまった。
いまもわたしは自分のまわりのノリに反応しているだけで、「わたしはこういう考え方で生きている」というような姿勢をもてない。思想がない。
20年後にもまだ反省するような視野があったら、いまのノリを恥ずかしく思うだろうか。