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一日。
たった一日だけ、自由をもらった。
どうしていいかわからなくて、でもどうしたいかはもう決まってて、
僕らは手に手を取って街へ繰り出した。
あの子がいつも眺めていたショーウィンドウ、
真っ白なホルターネックのワンピース。
いつもなら絶対に許されないそれを、僕は彼にプレゼントした。
その場で着替えて、裾をつまんで、嬉しそうにくるくると回るあの子が、
誰より眩しかった。
腕を差し出すと、彼はためらいがちに手を添えた…頬を真っ赤に染めながら。
恋人みたい。
小さなつぶやきが、今も消えない。

いろんな店を冷やかして、
いろんなものを見て、
その全てにあの子は目を輝かせて。
最後に僕らは、夕日の沈むカフェへとたどり着いた。
海辺の寂れた小さな店、
客なんか他にいなくて、
僕らは浜を見下ろすいっとういい席へと腰を落ち着けた。
メニューはひとつだけ、
夕日色のゼリーパフェ。
それをすくって口に入れながら、
あの子は沈む夕日を見つめていた。
このまま逃げてしまおうか。
言いたくてたまらなかった。
だけど、
どうしても言えなかった。
言ったら彼を困らせてしまう。
だから僕らはただ黙って、
沈む赤を見つめていた。

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