今回の判決文で、多くの女性がなぜ怒っているかについて、論理的に書いた文章が出ていました。
痴漢であったり、性犯罪であったり、同意のない性暴力を一方的に受けたにもかかわらず、「自分だって楽しんでいただろう」とニヤニヤしながら男性に言われる〈いつもの〉あの感じ、を思い出した方も非常に多いのではないかと思います。
何年か前に、Cakesの人生相談で、男性写真家が女性相談者の夫のモラハラへの相談に対して、相談者の女性を嘘つきよばわりして大炎上したことがありましたが、あれをそのまま彷彿とさせます。
「今回1審の大津地裁は裁判長、右陪席、左陪席とも女性でした。大阪高裁では左陪席のみ女性。女性が3人そろうと、性犯罪被害者の心理を十分に理解した判決が出るのに、男性が多数になると「女は嘘つきだ」という前提になってしまう。これは法曹教育の問題というよりも、幼い時からの「性的同意教育」の問題です。」
「2017年以前に巻き戻されたよう」 滋賀医大生による性加害事件 1審、2審で分かれた判断 千葉大学の後藤弘子さんに聞く
https://s-newscommons.com/article/6213
男性と意見が対立した時に、女性が「嘘つき」扱いされることは珍しくなく、ごく普通にあたりまえにあります。
私も何回も経験があります。
嘘をついていたのは、明確にあちら側なのですが、相手が男性である場合は、嘘をついているのは女性側になる、ということを思い知りました。
(仮に相手が嘘をついていたのがわかったとしても、「相手に嘘つかせるようなことをしたあなたにも落ち度がある」と言われる。)
こうした感覚そのままに裁判官が判決をこれまでも出していましたし、それが今も続いている、ということだと思います。
今回、抗議をしていた女性たちに対して、見下した反応が非常に多く出たことも、日本社会の男尊女卑ぶりがいかに強いかを実感させるものでした。