NHKのクロ限の拡大スペシャル能登半島被災者家庭と中継をつなぐのはいいけれど、話をするのが高齢の男性世帯主だけ、というのは多いに問題ありと感じました。
まわりの家族は違うことを思っているだろうに、世帯主が家族すべてを代弁してしまって、それが家族の合意のように番組が演出するのは、非常によくないと思います。
福島では大きな問題になったことです。
世帯主への意向調査だけで復興計画を立てて、高齢男性世帯主は帰りたいと思っていても、自分の世話をしてくれる配偶者や子供たちは嫌がり、実際の帰還数は見込みよりもはるかにすくなくなってしまったとか、世帯主以外の声は抑圧されて、まちづくりにも復興計画にも生かされなかったとか、もはや常識と言っていいくらいに知られていることなのに。
スタジオが、「他のご家族はどうですか?」と質問をふればいいのに、世帯主の意見だけを聞いているのは、配慮がなさすぎると思いました。
こういう積み重ねで、被災地のジェンダー・インバランス、パワー・インバランスはどんどん悪化していってしまって、最終的には、女性と若年世代の流出という結果になるだけだと思います。