この地方行政、特に県政と地方メディアの癒着の問題についての経験談、とてもよくわかります。
ここに書かれていることは、福島県にもすべて当てはまると思いますが、おそらく、他の県でもほぼ同様だと思います。
「都道府県」は、権限が大きい割に、監視が届かないので、もっとも腐敗しやすい行政組織なのだと思います。
国政は、メディアも多いし、利害関係者も入り乱れ、注目もされやすいです。
基礎自治体なら、住民に見えやすいので、メディアがいなくとも一定程度監視ができます。
ところが、都道府県になると地方メディアにとっては範囲が広すぎ、住民からは遠く、全国メディアでは経緯がわからない、ということになって、ほぼ監視のない状態になってしまうという構造的問題があるのだと思います。
「私は毎日新聞で記者・論説委員を計37年間務めたが、これまでに地方行政の側で活動し、地元メディアから取材された経験が2回ほどある。その時に感じた強烈な違和感が思い出される。」
「SNSはうそばかり」だったのか 兵庫県知事選が浮き彫りにした既存メディアの課題
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20241219/med/00m/100/005000c
警察でさえ、都道府県の組織なので、都道府県で腐敗があった場合は、検察特捜部でも入らない限りは、手の打ちようがない、というのが実態ではないでしょうか。
つまり、特捜部が入るほどに露骨な腐敗にならなければ、どうしようもないのだと思います。
福島県も復興予算によってふくしま医療機器推進機構や、イノベーションコースト推進機構といった、県庁職員の天下りの受け皿となる組織を作り、そこに公金を多く流しています。
復興予算がなくなって困るのは、これらの組織の運営の補填にあてる予算が削られるから、というところも大きいだろうと思います。
医療機器推進機構については、運営や支出管理のまずさを厳しく指摘されるという件が既にありましたが、大きく報じられた記憶はありません。
福島民報や福島中央テレビに限らず、多くのメディアも県の事業を受託していますから、復興政策への批判もできるわけがない、という背景もあります。
兵庫県知事線の背景に、もともとの県議会や県庁、地方報道への強い不信感があり、彼らが何を言おうとも、「所詮、自分の保身のため」としか思われない、というのは非常によくわかります。