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兵庫県議会の百条委員会をしていた議員の自宅に、立花隆に先導された群衆が詰めかけていたという話が伝えられていますが、こうした振る舞いが指弾されるのではなく、容認されてしまうところが、まさに価値観の転倒として起きていることで、通常の健全な民主主義の解釈で理解すると、事態を見誤ることになると思います。

ナチスのならずものが民主主義の制度を乗っ取っていく、そしてそれをおもしろがって容認していく人びと、アーレントの描写していた箇所を彷彿とさせます。

時に暴力的に、時に合法的に既存の民主的制度を徐々に骨抜きにし、乗っ取りをしていくことによって全体主義は、制度として完成していくのですが、その過程において、多くの人はその深刻さを理解せず、ただ眺めているだけだった、と書かれていたように思います。

何が起きているかをその時点で理解することが難しかったのだろうと思いますが、異常さをリアルタイムで察していた人の恐ろしさと孤独感は、察せられます。

福島復興の磁場が最高潮に異常になっていた時期の1-2年くらい、よくナチス台頭当時のことを想像していたことがありました。

既存制度の乗っ取りは、ほとんどの人が思っているよりもはるかに深刻に社会を破綻に導いていくことになると思います。

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