よく言われるのだけれど、ケア労働は無償のものと思われている、というよりも、女性が提供し、男性が受け取るのは当たり前という前提があるのだろうと思います。
能登地震の聞き取り調査でも、女性から「地域の男性から、避難所で地域の母親役としてのケア労働を、あたりまえに頼まれてしんどい」との声がでてきていました。
そういう声が可視化されるようになっただけ、時代が少しは動いたのかもしれませんが。
災害のあとは、女性も男性も同じくらいがんばったはずなのに、功労者として残るのはすべて男性だ、というところの不自然さには、もっと気づいていただきたいです。
上の世代を見ていた若い世代は、結局、ここでやっても評価されるのは男性だけで、女性は手助け以上のことはさせてもらえず、やったことそのものも評価されないんだな、と察知して、その地域から去っていくのだろうと思います。
本人もそこまで明確に意識はしておらず、「なんか居心地が悪いな」「ここにいてもなんとなく未来がなさそうだな」という程度の感覚かもしれませんが、進学や就職などなにか機会があれば地元にとどまらない選択をするには、十分過ぎるモチベーションになると思います。