今週の 、現代でもよくある、自分もやってしまった事がある差別や蔑視が描かれていた。
「これだから朝鮮人は」と言う台詞に寅子が即座に「やめてください」と言える場面の頼もしさ。特定の人種や属性の人を蔑視した会話が目の前で飛び交っているのに、ここで反抗したらもっと酷いことが自分の身に起こるのではと怖くなりじっと黙ってしまうこと。怪我人を助ける嫌われ者を「困ってる人を助けるのは普通のこと」として、差別や加害は優しさや思いやりの問題ではないことを暗に示すこと。

「昔のことなんて知らない、自分は誰も虐げたことなんてない」「差別なんてしていない、現実の問題を話している」といったやり取りも現代の現実でも本当によくある光景。差別意識を指摘した時に「あの人は優しいからそんなことしない」なんてよく言われる言葉だしね。これらに明確な解決策を示す訳ではなく(だって一言で解決しないもの)、差別にNOを言える寅子ですら何も言えずにうんうん悩む、無知を否定せずに対話を重ねていく大切さを描いてくれた、今週は。

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寅子が若い頃と比べてはっきり言うことが減った。違和感を持ちながらぐっと押し黙って考えることが多くなった。間違えることもすごくある。溌剌とした主人公が理不尽に立ち向かっていくストーリーだが、それだけじゃない。いままでならば対立していわば多分正しい人に打ち負かされていた人物を敵にしないでいる。あらゆる差別と、差別に繋がる孤独を取りこぼさないぞという心意気を感じる。本当に全部描こうとしている気がする。
対立している場合じゃない、自分さえよければという話でもないんだよ、というのを示してくれる。このドラマを見れば全部解決する訳じゃないけど、この世界で生きていくうえで大切なことを忘れないために、定期的に放送してほしいな

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