映画『成功したオタク』見てきました。推しが性犯罪で逮捕され、私は性犯罪者のファンになってしまった。同じファンのみんなはどう思ってる?というドキュメンタリー映画。推しとオタクを描いた作品は露悪的なものも多いが、そうではない映画。オタクが見るべき映画だった。
推しが間違いを犯した時にファンは怒っていい。問題を起こす前の、推しに夢中だった日々と時間をかけて(それこそ数年かけて)向き合っていい。性犯罪を犯した推しにオタクが怒り狂ってる映画を想像していましたが、そういう場面ももちろんあるけれどもっとずっと優しい「ひとりじゃない」と思えるシスターフッド映画だった。好きなものがあるのは幸せなことだと気づけた。見てよかった。
変な感想になるが、私って幸せなんだと気づいた。それは私の推しはまだ問題を起こしていないからマシだという意味ではなく、何かを好きでいられるのは幸せなことだいう気づき。少し離れたところから誰かに夢中になっている自分を眺めるような感覚。昨日届いたばかりの、自分の推しが着ていた服と同じ服に包まれながら鑑賞してそう思った。
捕捉。最初のトゥートで「推しにオタクが怒り狂う映画を想像していたが違った」と書いたが、成功したオタクには推しを擁護するファンは登場しません。むしろ全員が怒っていて、性加害は悪であるという意識が全員にある。だからこそ各々が推しを好きだった自分と向き合っている。静かな怒りだからこそ強かさを感じる映画だった。
ヒステリックに怒ったり泣いたりする人ばかり登場するかと思ってたら、ずっと静かだった。一人ひとりの怒りや迷いや悲しみにわかる…そうだよね…と私は頷き続けたし、こんなに「わかる」と思う映画があるだろうかと思う。許せない自分と好きだった自分との間で揺れ動く人にずっと寄り添ってくれる。