二人芝居『追想曲』すごくよかった!まだ2月だが今年一番の舞台かもしれない。小劇場で役者は二人だけで派手な仕掛けもないけれど、舞台の上からありありと発するメッセージが今見られるべきものだった。
赤澤さんが人間の一生ぶんの喜怒哀楽を、表情はもちろんのこと四肢と身体を使い尽くして詰め込んでいて、見ていて息ができなかった。赤澤さんと本田さんで役を交換する回もあるから、二人ともこれができるということなんだよな。すごすぎる。
赤澤さんメイン回だったので、上演前後の注意事項とお礼のアナウンスも赤澤さんの声だったのかだが、これが何の役の声なのかがわかった瞬間にハッとした。ネタバレになるからヒントすら言えないけど。
脚本はほさかさん、演出は松崎さんのタッグで、もしかしてこのお二人は小劇場で言いたいことを言うタイプですか…??(.5作品は自由にできないと言っているのではない)ほさかさんはともかく、松崎さんは「良くないことは良くない」を演劇の中に溶け込ませるのがうまいのかも。
良すぎたのでパンフレットも買った。袋を持ってなかったのでパンフレットを抱えて雨の新宿を闊歩する羽目になったが、後悔していない。
HPのあらすじしか知らない状態で行ったのだが、ミステリかと思ったらその要素もあったもののメインはそれではなかったのが自分的にはすごくよかった。
何かを見て自分なりに解釈して(制作者側にその意図がなくても)メッセージを見出だすということを常にやってるので、その逆をされた感じ。つまり自分の思想と制作者側のメッセージが合っていた。今見るべき舞台でもあるが、受動態の意味で「見られる」べき舞台でもあると思う。
今朝、ふとんの中で眺めていたツイッターで舞台の存在を知って、そのまま服を着て当日券に並んだのでうれしい誤算というか思わぬ出会いというか。