哀れなるものたち、余韻から一夜明けて、ミニチュアみたいな建物や船、かわいいけど不穏な空模様、ドレスの数々にうっとりする映画だったな…とぼんやり思っている。わたしの身体はわたしのものというメッセージもしっかりあり、奴隷に涙したり、娼館のオーナーに女が男を選べば?と提案したりと、心強い場面もたくさんあった。
消化不良なところを挙げるとしたら、ゴッドがベラの父的に描かれていたところ。ベラが出ていった後の寂しがり方も、戻ってきたベラの迎え方も、ベラ関係なく食事中に痰を出すみたいにシャボン玉を出すのも、すごく愛情深い父親的で。そして戻ってきたベラは「この場所が一番落ち着く」と微笑む。こういった自由な映画でも、こういう描写があるのかと寂しくなった。でも、みんなで中庭にいる最後の場面はとても好き。