でも一番イヤだったのが、宮内庁職員だか皇宮警察だか知らないけど、黒いスーツを着た警備のやつ。
中学校は山の上にあって、そこへ続く道の途中にちょうどパレードをやってる国道をよく見下ろせる所があった。黒服の警備はそこに立って、おれたちに「ここにいてはいけません」と言うわけ。よく覚えちゃないけどたぶん警備上だとか防犯上の理由とか言ってたんだと思う。
でもそんなのは「お前らみたいな庶民が天皇陛下を見下ろすなんてケシカラン!」ってことに決まってんじゃん。国家権力や身分制度ってものはこういうことやるんだっていうのをまざまざと見せつけられた体験だった。「知るか」と言ってそこに居続ければよかった。