『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見たので感想をダラダラと ネタバレ注意 つづき
公開直後からSNSで左派の方々が絶賛しているのを見て、もっとラディカルで直接的な体制批判の物語だと妄想していたのですがそこまでではありませんでした。この程度……と言ったら不遜ですが……やはりこの程度の反体制、反巨大資本というものは少なくとも海外作品だとごくふつうというレベルで、国内のアニメだともしかしたら珍しいのかもしれませんが取り立てて騒ぐようなものではありません。
とはいえ、エンタメとして成功するアニメでそれをやってくれたとうだけでも賞賛モノなのでしょうし、喜ぶみなさんの気持ちもわかります。
ちょっと気になったのが、水木がやさしすぎるという点でした。沙代にたいしてももう少し突き放したり、下心丸見えだった方が昭和のバリバリの野心家エリート復員兵サラリーマンとして自然だし、物語上も悲劇が際立つというものです。ただ、原作(漫画の『墓場の鬼太郎』、少し展開の違うアニメ版もあるらしいが漫画の方)の水木にあたるキャラクターがすごくやさしい人で、エンドロールの漫画のように鬼太郎を救い、育て、幽霊族との約束を律儀に守ったりするので、そういう要素を加味すればむしろやさしすぎる方が自然かもしれません。