すなわち、フランケンシュタインの怪物は、創造主を含めて誰からも愛されなかったので、むしろ創造主から憎まれる立場になる事を選んだ訳です
フランケンシュタイン
原作にて、怪物以外の登場人物
ロバート・ウォルトン隊長
北極探検隊の隊長(原作当時、北極点は前人未踏の地)。北極海にて衰弱死寸前のヴィクトルを助け、彼の身の上話を書き留める。
ヴィクトル・フランケンシュタイン
博士ではない。ジュネーブ出身、ドイツに留学中に人造人間を試作するものの、このひとりぼっち研究中の不摂生が発端で何度も発病する。
アンリ・クレルヴァル
ジュネーブ出身、ヴィクトルの親友。英国のインド開発に興味を持って様々な外国語を学ぶ、社交性の高い好青年。
エリザベート
イタリア貴族の両親が亡くなって孤児院に保護されてた所をフランケンシュタイン夫婦に迎えられ、ヴィクトルの許嫁として兄妹のように育ったメインヒロイン。血の繋がらない妹と相思相愛だなんて、なんと羨ましい奴か。
ジュスチーヌ
フランケンシュタイン一家に仕えていた家政婦。エリザベートとも仲が良かったが、後にウィリアム殺害容疑で処刑される。
エルネスト
ヴィクトルの弟、一家の次男。科学者志望の兄とは対照的なスポーツマンで、軍隊に入りたいとも言っていた。非常に影が薄く、映画化する時には確実に無視される。
ウィリアム
ヴィクトルの弟、一家の三男。まだ少年なのに怪物最初の犠牲者になる。
フランケンシュタイン
更に補足
アルフォンス・フランケンシュタイン
ジュネーブでも良く知られた公職の長官。精力的に勤務していたので結婚の機会も無く、公職を引退する頃に結婚、ヴィクトルの父となる。
物語の終盤では明らかに老衰していて、息子の結婚式当日にエリザベートが惨殺されたショックで息を引き取ってしまう。
キャロリーヌ・ボーフォール
アルフォンスの旧友、ボーフォールの娘。ボーフォールが事業に失敗して失踪した後、極貧生活のまま体調も崩し、アルフォンスが探し当てた直前にはボーフォールは死亡し、娘は明日から乞食になるしかないと嘆いていた。その後、フランケンシュタイン夫人となって、ヴィクトル・エルネスト・ウィリアムの三児を授かる母となる。しかし、ヴィクトルがドイツ留学に旅立つ直前に病死(映画では死者蘇生研究の原動力だと解釈されやすいね)。
農夫に預けられていたイタリア貴族の孤児、エリザベート・ラヴェンザを引き取ったのも、彼女が極貧生活の経験者だったからだ。
フランケンシュタイン
時代背景
1771年。イタリアの科学者、ルイージ・ガルバーニはカエルの解剖中、死体の筋肉でも電気が流れると動くという現象を発見。現代から見れば当たり前だが当時は大騒ぎになり、「死体に雷が落ちると死体が甦る」という怪談が流行したらしい。
1774年、ルイ16世が即位。有名なマリー・アントワネットが王妃になる。
1785年、首飾り事件。フランス王室の評判が落ちて、王室の悪口が大流行。詳しくは「ベルばら」参照。
1789年頃、フランス革命始動。
1800年、ガルバーニのライバルだったアレクサンドロ・ボルタが、自説を証明する為に「ボルタの電池」を発明。史上初の「電池」の登場により、ここから電気の実用化研究が始まった。
物語の終盤、一家がパリに滞在する展開があり、パリ社交界の著名人と出会っていたりしたので、この物語はフランス革命前夜だと推測しています。もし革命が始まってたら、金持ちはパリに近付かない方がいいでしょ。
もう一つ、自分の推測だけど。カミナリが落ちて死体が動くという怪談が流行する一方で、電気はどうやって使うのか、電気とは何なのか、当時の庶民の…特に女性は、よくわかってなかったんじゃないかなあ。
フランケンシュタイン、原作版の怪物は頭がいいよ。人間を徹底的に観察していくだけで言葉と文字を覚えて、旅人が落としたカバンに入ってた「聖書」「偉人伝」「若きウェルテルの悩み」を読破、人間に憧れを抱いた末に、誰も居ない研究室に残されたノートを読んで、自分が人造人間だと気付いたんだ
映画版モチーフのフランケンシュタインの怪物は、なんか頭悪そうで…ちょっとイメージ違うんだよなぁ