『日本数学史』佐々木 力「著者の研究の集大成である遺稿」との事であるからにして、17600円は仕方ないがやっぱり手が出せない。ついに、図書館で借り受けて読んでいるが、これが最高だ! 値段に文句を言っていた自分が情けない。微積分もろくに理解していない自分でも、理解できる(変な表現だが)。論文というより、中高生にも解るような文章で書かれていて、本当に素晴らしいし、ありがたい。
江戸時代にも当然だが和算というものがあり、実生活でまったく使わなくても趣味レベルで算術を追求していた人達(職業・身分も様々)がいたらしいというのは知っていた。塾に通っていたり、今でいうサークル活動だったり、ただただ個人的な趣味だったり。
本書を読むに(個人的な妄想だが)どうやら、算術ガチ勢とエンジョイ勢がいた模様。ガチ勢は算術武者修行よろしく、江戸から飛び出し地方の「凄い奴」のところへ行き「江戸ではこんな問題が流行っていますが、先生だったらどう解きますかね?」などと言って、お互い額を突き合わせて問題を解いていた(逆もまた然り)。
そんな風に考えると、江戸といってもつい最近のように感じてしまうな。