感想 『NOVA 2023年夏号』
斧田小夜「デュ先生なら右心房にいる」が読みたくて購入。斧田先生の描く中高年男性、味わいがある。
他に印象に残ったのは、溝渕久美子「プレーリードッグタウンの奇跡」賢くて心優しい生き物の知られざる世界が良い。
新川帆立「刑事第一審訴訟事件記録 玲和五年(わ)第四二七号」、こんな書き方ある?という文章で、つらい話だけど最後まで面白い。最近の死刑判決が無罪になったニュースを思い出す。
斜線堂有紀「ヒュブリスの船」は、地獄の新境地。いろんな方法で人が死ぬので自分は殺人推理ものが好きではないが、エドワード・ゴーリーが「おぞましい二人」を描いたように、推理小説の業を描いたようにも思える。