漫画「コーポ・ア・コーポ」第一部 感想
話題だけど読みたくない…と思いつつ、ちらちらと読み、第37話でショックを受け、全部読んだ。電子版も買った。
最初のほうは、つげ義春やガロ系の感じがするが、画風も物語もリアリズム。キラキラしていない現代日本で、サバイバルしたり愛情のあったりする群像劇。第一部をすべて読むと、共感できるというか、人生を何周かしたような気がする。
それぞれに思いがあり、どうにもならんしんどいことをこらえ、なんとかやっていく。
悪いことをしてもしなくても、少しずつ人生が狂っていく。安定や将来のない毎日でも、それなりに過ぎていく(Poco a poco)
読むのは避けていたのは、猥雑なテーマが苦手というのもあるが、自分もコーポの住人寄りなのを自覚させる鏡だから。本当に「普通」とはなんだろう。普通が難しすぎる。そして「私は普通です」という人々の無自覚な暴力。いや、自分も嫌な奴かも。
人間社会に対する感覚が少し広がる。
それはそれとして、もう少しお金があって自立できたら、みんな助かるのではとも思う。