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SNSで画面をスクロールしながら、わかるけどそれ無理だよ、という主張をけっこう見る。だからといってやる気を削ぐようなことを言うのは悪いから何も言えないという…ジレンマがあるんだよね。

「原則、差別は悪い」のはその通りで異論も何もないんですけど、そのことと「いま現実に(目の前に)差別がある」とはやっぱり別の問題で、あまりに原理主義的な態度だと後者を認識できなくなるおそれがあるとは思う。

ビヨンセでもテイラー・スウィフトでもいいけど、彼女らにはポップの象徴としてあらゆるコミュニティから切り離されるという「孤立」の覚悟はあるのだろうか。

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マイケル・ジャクソンの『インヴィンシブル』を評した2001年のSnoozerの記事に「ポップ」についておもしろい考察があった。それは大雑把に言うと、マイケルは普遍としてのポップを目指したがゆえに、黒人コミュニティからも切り離され、世界中で愛されると同時に、あらゆる人種や国家からさえ切り離され、とうとう世界中でひとりぼっちなった、というもので、これはマイケルの圧倒的な孤独と「ポップ」というものについて、本質を突いていると思う。

人種や性別、国籍、地域性、経済的格差、その他さまざまな差異を無視して「平等に」というポップのコンセプトは最初から破綻しているんですよ。そんなのビヨンセが体現している民主党的なグロテスクさを見れば一目瞭然でしょう。理想を掲げることは無理を強いることじゃないよ。

子どもっぽいことを言うようだけど、例えばフランス人やドイツ人と話していても、誰にも「西洋中心主義者」とは言われないんだよね。これが相手が韓国や台湾、香港の人たちになると、途端に「アジア主義者」ということになるわけ。日本では。極端に言うと「ネトウヨ」と呼ばれる人たちの逆をやっているだけで、対話という行為さえただちにイデオロギー的なものとみなされるんだよ。それだけ地理的に近いはずのアジアは日本から「遠い」ということなんだろうと思う。「思想が強い」のはどっちだ、とときどき言いたくなることがある。

同じ陰謀論と言っても、平沢進とマジカル・パワー・マコの方向性はほぼ真逆だし(前者はオルト右翼的、後者は新左翼的)、ともに「一般的によく知られた事件や歴史の背後に別の策略があったとする、信憑性に乏しい説」(陰謀論の一般的な定義)ではあっても、その言説の政治的な作用や影響まで分析しないことにはこの時代に何か言ったことにはならないと思う。それはミュージシャンに限らず、サドやセリーヌについてもそう。陰謀論だからといってエンガチョだけしても何にもならない。

何かすごい大きな問題が起こってその解決の見通しがきかないとき、必ず誰かが一種の比喩として「ソフトランディング」とか言い出すんだわ。この国では。そうじゃなくて、こっちは具体的に、どうやって、という話がしたいわけだよ。別に好き好んでおおごとにしたいわけじゃなくて。そこで既に齟齬が生じている。

天皇制の話をするなら支持(容認)するにせよ批判するにせよ憲法の話とセットにならざるをえないはずなんだけど、いまだに批判する側の立場から「言ってやったぜ!」程度の形而上学的な言明しか出てこないのは本当に残念なことだと思っている。この人たちやる気あるのかなと。

おそらく黙認されているであろうことをわざわざ掘り起こして問題にしたいわけではないんだけど、例えばいまディス速って普通に援助交際の温床になっているでしょ?その他にもさまざまな不法の商取引が放置されていて、かついろんなタイプの問題を抱える人が野放しになってるから、実質の無法地帯になってるよね。別にパターナリズムに訴えたいわけじゃなくて、このままでいいの?とは誰もが感じていると思うし、私もその一人だということ。何か大変なことが起こってからものを考え始めるのいい加減やめましょうよ、とはちょっと言いたくなる。

今更感もあるけど、読み直しておきたいサイボーグフェミニズムについての記事。
「ドナ・ハラウェイの最も有名な作品は、 1985 年に出版された『サイボーグ宣言』です。ハラウェイはサイボーグに期待を寄せるが、サイボーグが人間と機械の境界を曖昧にする一方で、男性と女性の境界も徐々に曖昧になるだろう。 『攻殻機動隊』はサイボーグにとって優れた分析テキストと言えるだろう。」
richaelsun.medium.com/攻壳机动队-与赛

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田中敦子さん、61歳は早いよね。
この機会に言っておきたいのは、みんな大好き攻殻機動隊についてなんですが(私も好きです)、草薙素子はたぶんアーレント主義の右翼なので、そんなにてらいなく持ち上げられてもちょっとなぁ…という感じはしています。

Threadsのアルゴリズム、年齢のことを言ったらエイジズムに関する投稿を集め、ナショナリズムを批判したらナショナリストの投稿を集めてくるので、利用者に対する嫌がらせとしての性能はかなり高いと思う。

毎日嬉しかったことも嫌だったこともそれなりにあるはずなんだけど、普通に生活していたら、(仕事とか)何らかの作業中はそのほとんどを忘れてるんだよね。そんな風に思ったら、いま何か悲しい気持ちになった。自分の感情に鈍くなっていくのは改めて考えてみると寂しいことだなと。

中上健次にとってはそれが韓国だったり、ジャマイカだったりしたんだろうけど、ある種の物書きには母国に対してそういう「抵抗の拠点」が必要になるってことは感覚的にすごくよくわかる気がするよ。

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同志のエッセイには「(私は)ナショナリストと非国民の間の狭い波打ち際を歩いて行きたい」という名言があって、実際に彼はそうしてキューバという国にたどり着いたわけだよね。それもいい話だと思う。

そういえば龍はこれからの日本文学の担い手は移民かなんらかのマイノリティーになるだろうってずっと言ってた。これに関しては共感しかないし、実際そうなっていると思うんです。

私のベスト5は以下の通り。
①『限りなく透明に近いブルー

②『KYOKO』
③『イビサ』
④『ライン』
⑤『トパーズ』

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