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思うにギャングスタラップっていうのはリズムにしろリリックにしろ煎じ詰めれば今日一日をどう生き延びるかという音楽で、大文字の理想を掲げるタイプの音楽ではない。ノイズはたいてい極端に個人主義的、密教的で、どちらかと言えばリスナーに孤立を促す性質のものでやはり理想を掲げるタイプの音楽ではない。いずれもフェスとかでみんなで共有するような種類の音楽じゃない。これに対してロックのプレイヤーとリスナーがいっしょに意識の改革を目指していくような側面、あるムードとかフィーリングで世の中を変えていこうとする志向っていうのは、パンクさえそう、ノーフューチャーというのは現実ではなく夢想だから、今となってはすごくおもしろいものに思えるんだけど、自分にとっては遠いものだったと再認識せざるを得ない。それでも愛とか希望とかはたまた絶望とかアイソレーションとかさまざまな夢を売る人たちのことが羨ましくずっと羨望の眼差しを向けていて、ようやく向かいあったときにはサブスク全盛期でもう実質的に終わってた。ロック的なリボルテ志向ってみんなで同じものを聞く、という経験に裏打ちされてたように思う。ジョン・ケージもレイブもそう。すなわちそれまで資本で分断されていた演奏者とオーディエンスの垣根を取っ払って、同じものを聞くという経験をみんなで共有すること。

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