それで『王の病室』の一話読んだんだけどさ、なんか興醒めしちゃうんだよね。医者ってすごい仕事だなとずっと思ってきたから。いやさ、話そのものはあれだけじゃストーリーにならないし、ひっくり返される可能性も高いと思う。作者があのパイセンみたいな医者をいいって考えてるわけじゃないこともわかる。でも多分にヒステリックな反応かもしれないけど、あの漫画読んでから医者にかかって「この人ももしかしたらこんなこと考えてるんじゃないか」って思う患者がいるとしたら、それ自体は小さな綻びでも社会不安に繋がるんじゃないかな。終身医療や延命治療が数十年後に誰もが直面する現実で、形而上では命の尊厳で形而下では治療費でみんなが頭を悩ませるスパッと割りきれない問題だなんてことはああやってショッキングな形で提示されないとわからないものだろうか。