「女性たちが連帯して家父長制に対抗する」お話がとにかく好きです。
女性同士必ずわかり合えるなんて幻想、とは思いつつもでもそうなったらいいなって希望を捨て切れずにいる。
柚木麻子さんの「らんたん」、主人公が留学先のアメリカである歴史上の偉人に求婚されるシーンがある。
主人公もその男性には好意を抱いているんだけど、実は男性には許嫁がいる。
男性はその女性を「向学心のないおもしろみのない女」みたいに言うんだけど、主人公はそれを聞いてめちゃくちゃ怒るんだよね。
女性が進学できず家に閉じ込められているのは国の政策や社会の偏見のせいで、個人の責任じゃないって。
主人公が許嫁にマウント取るんじゃなくて、連帯するところがとてもいいと思う。
(この主人公も完璧ではなくて、例えば家父長制に反発しつつ天皇制は支持するという矛盾を抱えている。主人公の行動や思想に批判的な視点も盛り込まれていて、それも信頼感が増してよかった。)