『夜廻り猫 第八九三話 一人前』
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私の家は母の生家だったので、この話とは事情は異なるが、父の帰宅が遅い日は子どもたちは先に夕飯を食べるのに、母だけは食べずに待っていたり、何を食べるときでも母は一番最後の余り物という感じだった。
それは食べ物のない時代に育った母の思いやりだったのか、母親とはそういうものという思い込みだったのかはわからないが、家族に食べさせる母親よりも家族と一緒に食べる母親であってくれたほうが、私には嬉しかったのではないかと時々思い返す。
家族みんながお腹いっぱい食べられる社会でありますように。