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『危険な場所で』(1951、ニコラス・レイ)

ロバート・ライアン、アイダ・ルピノ主演の刑事もの。前半は夜のNY、後半が雪に覆われた田舎の丘陵地帯(自然と『ファーゴ』を連想させる)で、黒から白へと舞台が展開するのが鮮やか。
長年NYの闇を見てきて荒んだ刑事(生育の過程に何か問題もあったらしいことが仄めかされているがそこは描かれない)が犯罪捜査過程で暴力を振るうことが繰り返すようになる。これを問題視した上司がしばらく街を離れて離れて100km北の田舎町で起きた殺人事件に捜査支援に向かうように命じられる。向かった先は一面が雪の農村で、そこで起きた一人の少女の殺人事件の捜査を始める。という話。

カメラワークも照明も良くて場のリアルな空気感が(前半も後半も)出ていてざわざわくるものがあってすごくいい。ただストーリー的に前後が繋がっているのかよくわからないし、ラストシーンはかなり蛇足感があって困った。あれはいらない。検索するとニコラス・レイも反対していたのに加わったシーンらしい。
男の荒んだ心が盲目の純粋な女性と出会って浄化されるなんてステレオタイプな話ではないですよ。そこは良かった。

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