勝手にニュースの続きを創作しちゃう。
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研究を続けることで、研究者は群のほとんどの個体の”名前”を知ることになった。しかし一つだけわからない”名前”があった。象の一頭がその”名前”を呼んだ時に限って、他の象からの反応が全くないのだ。これは果たして誰の名なのか、ここにいない”誰かさん”なのか?
答えが出ないある日、ある象が再びその”誰かさん”の名前を呼んだ時、研究者は群のうち一番自分の近くにいた象がちらりとこちらを観たような気がした。まさか?!次に再び象の一頭が”誰かさん”の名を呼んだ時、研究者は合成された音声でその象の名をスピーカーから発してみた。その象は再び”誰かさん”の名を呼んだ。その途端、群の他の象たちも次々と”誰かさん”の名前を呼び始めた。”誰かさん”ではなく、象たちがつけた研究者自身の名前だったのだ。
おしまい