『生まれながらの悪女』(1950、ニコラス・レイ)

清楚な美女役の印象のジョーン・フォンテインがそのイメージのまま悪女を演じるちょっと怖い映画。
婚約者と結婚目前のダナが勤務先の出版社社長に、社長の姪が田舎から出てくるのでしばらく預かってくれるように頼まれる。やってきた姪は魅力的な人物で、すぐに婚約者共々友人となり色々と助言などを求める関係となる。しかし姪の助言はその意図とは裏腹に、二人の間に徐々にお互いに対する不信感を忍びこませる結果となり、ついに関係を破綻させてしまう。。。
という感じの話。その後、姪の言動が金持ちの婚約者を奪うための意図的なものだったことが徐々に明らかになり、人当たりが良く善意に満ちた人物と思われたものが利己的な意図で周囲を巧みに操るという(今風に言うところの)サイコパスものだなとわかってくる。昔の映画だからそんなにどぎつい描写にならないけど結構ゾワゾワする。
空間の使い方にハッとする演出がいくつかあって、舞踏会の会場の庭に降りていく階段のところで姪の嘘が露わになるシーンなんか凄く良い。

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以下ネタバレですが、最後ウソがバレて破綻するんですけどよくある悪女ものだと、悪女は最後罰を受けて滅び去ることになるんですけど、この映画だと最後悪女は死んだりせず毛皮のコートやドレスを車の後部座席に詰め込んで去って行くのがちょっと不気味でもあり同時に妙に清々しくもありと言うエンディングで好きでしたね。

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