『「音」と「声」の社会史』を出す人の論文がここから読めるぞ。おもしろそう
限定された空間とメディアの社会史研究に向けて
─ 刑務所と「新聞」「ラジオ」はどのような関係を結んできたのか─ 坂田謙司
"地域メディアの定義としては,もはや古典とも言える竹内郁郎,田村紀雄の『新版地域メディア』の冒頭に書かれた「一定の地域社会をカバレッジするコミュニケーション・メディア」が全てを語っているように,さまざまな社会的な意味をもつ範域そのものが「一定の」に続くのである1) さらに「一定の」を分解していくと,そこにはなんらかの「限定性」が通底している。つまり,範域は社会の中で自在に変化し得ると同時に,それは「限定された(閉じた)」範域ともなるのである。とは言え,交通網が発達し,多様なコミュニケーション・メディアが登場し,1人の人間が所属する社会的な範域は同時に複数存在する。
(中略)
本論で試みるのは,「限定した(閉じた)」範域を対象としたメディアの社会史研究に向けた新たな展開である。それは,これまでの「地域」という考えではなく,「空間」という捉え方である。この空間をどのように捉えるのかは,先行研究によってさまざまなであるが,ここでは地理的な範域ではなく,日常の生活社会におけるつながりを前提としつつ,メディアで結ばれた限定的空間,あるいは社会的なシステムによって閉ざされた空間と考える。"
なるほど、おもろいな