少しシリアスなちび6とナナリーの話
ナナリーの元に表れた小さなロックマン。
ひと言「ななりー」とだけ話す。声もどことなくロックマンの声だ。
原因は分からないが気づいたら私のフードに入っていた。
ロックマンは遠征中で相談はできない。それでも憎たらしくも最近はそれだけでは無い彼に似たこの生き物を放って置くことは出来ずにしばらくの間一緒に過ごすことに。
小さいロックマンは健気に私の家事や雑務の手伝いをしてくれた。
小さいくせになんでもできるのだ。
アイツみたいだな。なんかモヤモヤする。
そんなふうに過ごすうちにななりーとしか話さない小さいロックマンに色々と話しかけるようになった。
「競争心が悪いとは思わないけど、これが邪魔してロックマンと上手く話すことが出来ない」
「近くにいるだけでドキドキして落ち着かないの。もう少し落ち着いていられれば彼の周りにいる女の子達みたいになれるのにね」
ちいさいロックマンに話す度に、穏やかな気持ちになる。そして、ふとぽっかりと心にあったものが薄れていく感覚があった。
それでも、思い出せないから些細なものと気にもしなかった。
「ななりー」
「なあに、ロックマン」
いつの間にか私の言うロックマンは目の前の拙く私を呼ぶ彼になっていた。
他にもロックマンがいたみたいな表現だ。
へんなの。
間違えてTwitterにあげちゃった。
https://twitter.com/oke_nasu/status/1754855524791935417?s=46
7ちゃんの誘惑❷
「君、もう少し警戒心とかないの?」
「?」
ソファで2人肩を並べていた。
お互いに本を読んでいただけだけど、ふと、隣の温もりが心地よく恋しくなって、ロックマンの肩に自分の頭を凭れてみた。
暖かいし、やっぱりロックマンはいい匂いがする。屋内なのに陽だまりの香り。
私の好きな匂いだ。
そうして、好きなように寛いでいれば頭上から呆れたような声。
「ここは僕の部屋だよ?」
「知ってるけど」
「2人きりなんだけど」
「そうね。さっきまで、メイドさんがお茶を淹れてくれてたけど出ていったもの」
何を当たり前のことを言っているんだと首を傾げてみれば、宝石のような赤が深い色をして細められた。
「男と2人きりの時に、そういうことしない方がいいよ」
「どうして?」
遠回しな言い方に、少しもどかしい気持ちになって尋ねれば、私の上に影をひとつ落とされた。
なんの影かと言えば、ロックマンが私に覆いかぶさっている。
はて?どんな状況?
「こういうこと、したくなる」
ロックマンの大きな手が私の身体の形を確かめるように這わせられる。
これは、そういうことだ。
「…してほしいって言ったら、どうするの?」
「え?」
私だって、初心者なりにちゃんとロックマンのことを好きなんだとわかって欲しかった。
7ちゃんの誘惑❶
ロックマンとお付き合いをすることになった。
これまでも勝負と称して色々と出かけることが多かったが恋人になってからはお互いの部屋へ行くことが多くなった。
それまでも、行っていたけれど。
だって、見たことのない本がたくさんあるのだ。
そして、ロックマンの部屋で思う存分読ませてもらう。何故か部屋の扉は常に少し開いていたけれど。
お付き合いをするようになってから、扉はきちんと閉められるようになった。
恋人になったのは最近だけれど、好きだと自覚して告白してからはだいぶ時間が経った。
そして、恋人になってからはそういうコトをするようになった。
でも、キス止まり。
ロックマンの部屋に泊まったことはないし、私の部屋も遅くなる前には今日はそろそろとロックマンから言ってくる。
紳士とはそういうものだと、マリスは言っていた。
それでも、恋人ならもう少し先のコトをするものじゃないのだろうか。
『今夜は帰さない』なんてセリフは恋愛小説ではよく見るけれど、ロックマンに言われたことはない。
それとも、『今夜は帰りたくない』だろうか。
好きなものを好きなだけ。よく見えないものが見えてますがそっとしといてください。食べ物と推しの話しかしない。