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7ちゃんの誘惑❶ 

ロックマンとお付き合いをすることになった。
これまでも勝負と称して色々と出かけることが多かったが恋人になってからはお互いの部屋へ行くことが多くなった。
それまでも、行っていたけれど。
だって、見たことのない本がたくさんあるのだ。
そして、ロックマンの部屋で思う存分読ませてもらう。何故か部屋の扉は常に少し開いていたけれど。
お付き合いをするようになってから、扉はきちんと閉められるようになった。
恋人になったのは最近だけれど、好きだと自覚して告白してからはだいぶ時間が経った。
そして、恋人になってからはそういうコトをするようになった。
でも、キス止まり。
ロックマンの部屋に泊まったことはないし、私の部屋も遅くなる前には今日はそろそろとロックマンから言ってくる。
紳士とはそういうものだと、マリスは言っていた。
それでも、恋人ならもう少し先のコトをするものじゃないのだろうか。
『今夜は帰さない』なんてセリフは恋愛小説ではよく見るけれど、ロックマンに言われたことはない。
それとも、『今夜は帰りたくない』だろうか。

7ちゃんの誘惑❷ 

「君、もう少し警戒心とかないの?」
「?」
ソファで2人肩を並べていた。
お互いに本を読んでいただけだけど、ふと、隣の温もりが心地よく恋しくなって、ロックマンの肩に自分の頭を凭れてみた。
暖かいし、やっぱりロックマンはいい匂いがする。屋内なのに陽だまりの香り。
私の好きな匂いだ。
そうして、好きなように寛いでいれば頭上から呆れたような声。
「ここは僕の部屋だよ?」
「知ってるけど」
「2人きりなんだけど」
「そうね。さっきまで、メイドさんがお茶を淹れてくれてたけど出ていったもの」
何を当たり前のことを言っているんだと首を傾げてみれば、宝石のような赤が深い色をして細められた。
「男と2人きりの時に、そういうことしない方がいいよ」
「どうして?」
遠回しな言い方に、少しもどかしい気持ちになって尋ねれば、私の上に影をひとつ落とされた。
なんの影かと言えば、ロックマンが私に覆いかぶさっている。
はて?どんな状況?
「こういうこと、したくなる」
ロックマンの大きな手が私の身体の形を確かめるように這わせられる。
これは、そういうことだ。
「…してほしいって言ったら、どうするの?」
「え?」
私だって、初心者なりにちゃんとロックマンのことを好きなんだとわかって欲しかった。

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