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短文集なので、たまにぱらぱらと捲るのだが、松尾尊允先生の書評は寸鉄刺すようである。

軽い気持ちで読んでいると書評の中に「時代とともに変容する『中央公論』の寄稿者をめぐるさまざまのエピソードは、相変わらず読者を飽かせない。常連の寄稿者吉野作造の自宅に右翼が放火した話は初耳である。執筆を再三懇請する著者を「書けぬものは書けぬ」とどなりつけ、きびしい学問的良心を発揮するマルクス主義理論家柳田民蔵は、夜になるとチャンバラ映画を見物に出かける。」とさらっと書いてあったりで、ヘビーである。

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