わたしの世代は、大学生ぐらいに柄谷行人がメーリングリストをやっていたのを読んでいた。
バーグルエン哲学・文化賞を受賞して、オードリー・タンにも影響を与えていたでおなじみの柄谷行人である。『「みんなの意見」は案外正しい』の書評を書いてベストセラーにしたひとりである柄谷行人である。
このメーリングリストが当時それなりの人材が動員されていたのに破綻したので、議論を目的とした(目的とすべきは「議論」とは違うもののほうがいいだろう)SNSみたいのは危ないと、ある世代より上の人文系の日本人はだいたい知っている。
きっと、そろそろ、そのくびきをしらない世代が、同じミスをするだろう。でも、ふまなくて良いみすはふまないでほしいのだが。
このほかにも、モデレーションとかそういうのがあれば、メディアとして成立するかもしれないと、オーマイニュースが始まり、それが日本にも持ち込まれ、アクセス数稼ぎのような釣り投稿をトニオ記者がしてしまうなど、過去二十年の蓄積があるので、こういうのはわすられては困ると思うのだが。