AI倫理のN先生とFBでお話した流れでこちらも並行して読むことに。すでに読了された先生によれば、扇情的にGAFAを叩いている割に、専制国家がデータを使って国民を管理・監視するリスクについて殆ど言及しないのはミスリードであり、それがもし意図したものあれば大変マズいのではと指摘されていた。

最近はこうしたソーシャルメディアの問題やデータとプライバシーに関する洋書や翻訳本が次々と出ていて、一頃のテクノユートピアに対するカウンターがトレンドになっている節もあるけれど、Aというリスクに目を向けさせることがBというリスクを覆い隠すめくらましになる可能性は確かにあるのだと思う。その辺りも念頭に置きながら読もうと思う。

しかし、そういう指摘があると著者のバックグラウンドも気になってくる。大学教員だけど、例えばどの時期にどこの研究室やシンクタンクにいたのかとか、指導教員はどこの誰なのかとか。

この話をチラッと夫にしたところ、興味を持ったらしく著者のショシャナ・ズボフ氏について調べていた。彼に言わせるとどうも反トラスト法絡みの話なのでは?とのこと。その視点はなかった。EUはともかく米国発のアンチ巨大テック産業に関わる言説を見るなら必要な補助線だと思う。

キーワードとなるのが、巨大企業の存在自体を民主主義への危機と捉えて排除すべきとする新ブランダイス学派。連邦取引委員会のリナ・カーン委員長もニュー・ブランダイス運動に積極的に関わっている、というかモロにその思想のもとで仕事をしているように見える。そしてズボフ氏もまたNYTが主催する反トラスト法に関するラウンドテーブルにリナ・カーン氏と参加していた。

少し調べただけなのでこのつながりは状況証拠でしかないけれど、その仮説のもとに読んで見るとまた別のものが見えてくるかもしれない。

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@mikeneko301_2022 そこに映画業界とか放送局の寡占状態を解体してきた歴史があります。
また、「USAトゥデイ」みたいな全国紙が少なく、(州ならではの)地方紙ばかりという歴史もありますし。

『原典メディア環境』にはFCCが出した勧告の抄訳が載ってたと思いましたけれど面白かったです。

近年、NYTなんかは地方紙だとつぶれてしまうのでネットメディアになったら地方メディアではなくなり過去最高益になったとか、反面ピンクスライムな地方紙がネット配信などを通じて扇動を行うなどもあれこれあるかんじですね。
→そうなると検索やニュース配信を握ってるGoogleとFBがやはり槍玉にあがるというか。

nikkei.com/article/DGKKZO68028

ピンクスライムって言葉、初めて知りました。由来を見ると言い得て妙ですね。

私もたまにそうしたメディアを恐る恐る覗いてみるんですが、党派性やデマという言葉が生やさしく思えるレベルのオルタナティブファクトが展開されていて、頭がクラクラすることも。

一部の人たちの思想が極端に振れることはある程度仕方がないにしても、人の憎悪を煽るジャンクな情報がバラ撒かれるのは有害すぎるので、やっぱり情報環境をコントロールできるプラットフォーマーの責任は問われるべきかなと思います。

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