「怪談の語り手になり得ない『いわくのある土地の隣の家』というカテゴリ」「こっちは普通に日常を送っているのに隣家では惨劇が続いたり一家離散したり人が居つかなかったりする」「深夜悲鳴をあげたり、外に飛び出してきたりするらしいんだけど、一度もそういう場面に遭遇しない」「夢でも見たんじゃぁと一度言いかけたらすごい眼で睨まれたので、新しい人にも気のせいだとは口にできない」「新しい人が入って心を病みはじめるまでのわずかな間は普通のご近所付き合いができる。こちらは普通なのだ」「普通にしてるのに隣家を去っていく人たちはこちらを化け物でも見るような眼で…」「実に心外」