そういや読み終わった。
「物語」(説話論)として還元不可能なもの、説話論の構造から言葉が逸脱し、独走しはじめるところに「小説」が存在する……「物語」は「物語」でやればいいのであって、それが「小説」になる瞬間が存在する、そういうことを「物語」について語ることで消去法的に示そうとした本だった。
ここで語られる「小説」が極めて特殊な用法であることは言うまでもないが、
・人類の歴史(主に西洋史)の中で神話や戯曲・叙事詩とは切り離された近代における「小説」というものの歴史的な異端性
を、「物語ではできないこと」としての散文芸術と、アナロジカルに結びつけ、位置づけようとするのは興味深かった。そのあたりは批評の意味、批評家の役割とも結びつけて語られてて(その辺の理解はかなりあやしい)、難解ではあるが刺激的な批評だった。
それはそうと、蓮實重彦の本は『夏目漱石論』を積んでるので実はそっちの方が気になるんよな。
批評の意義についてはこのブログも読む
https://yokato41.blogspot.com/2013/04/blog-post_28.html?m=1