ノマキのルスハンのお題は『ありがとう・見つからぬよう・ひとりぼっちは寂しいもんな・デジタル処理不能・告白?いや、独り言』です


shindanmaker.com/35731

ルスハン ありがとう 

「いつもありがとう、雄鶏くん」
嫌味な年下同期が突然そんな事を言い出したので俺は知らず身構えた。当然予測は正しくて、
「いつも俺を苛立たせてくれて。お陰で俺は精神状態のコントロールに関してたったの数週間で別次元のスキルを手に入れられた。それだけじゃない。雄鶏くん、君がいつもいつも、肝心なところで一体どうしてそんなところで手を抜くんだと思うようなところで手を緩める…その振る舞いからも俺は繰り返し学んだ…。君のように肝心なところで怯んでしまう、そんなしょうもない奴もいるんだと。他の事がどんなにできても、そこでそれじゃあオシマイだ…そう思わせるアヴィエーターは実在するんだと…。この経験はきっと、俺のような天才が凡人を教える際に役立つに違いない…記憶に確かに刻んでおこうと思っている…本当に…ありがとうな、凡才でノロマな雄鶏くん…」
彼は瞳を潤ませイケメン風に目を伏せ俺の肩をそっと叩いた。俺は死んだ目で返すだけだ。
「俺も日々学んでるよ。カンに触る物言いしかできない性格の悪い奴って、やっぱいるよなって」
鼻先をくっつけて来たので、今の流れでキス?正気か?と思ったら、威嚇してるだけだったようだ。
やっぱ勉強になるよ。お前のトンチンカンなコミュ力。心からありがとう?

ルスハン 見つからぬよう 

見つからぬよう育てているものがある。インナーマッスルと軽度の恋心だ。前者は生産的で後者は非生産的だ。だからもちろん後者は捨て去らねばならない。優秀で華麗なアヴィエーターとしてのキャリアを順調に積み始めた俺に最も不要なものだ。きっかけはなんだったのか?俺には全くわからない。ただ気がついたら、躍起になってアイツの事を考えていたし目で追っていた。だから当然、卒ない年上同期のあからさまな手抜きに俺は気づく羽目になった。飛び方もそうなら人間関係だってそうだった。卒なくこなしアイツの周囲には、いつだって明るい笑い声と音楽があった。けれども時折酷く昏い目をして笑う。背筋がゾッとするような目だ。ビビる訳には行かないのでアイツに常に優っている自分を確認しなければならなくなった。今日もヒヤリとさせられ捩じ伏せた…多分。早くこの極々軽い羽根のような恋心を始末しなくては。けれども恋が初めてなので、どうすれば捨てられるのかもわからないでいる。とある本で読んだのだが、恋は風邪みたいなもんらしい。俺の風邪も早く治るといいんだがな。勿論、軽度の風邪と侮らず、回復の為に全力を尽くす所存だ。なにせ、優秀なんでな。

フォロー

ルスハン ひとりぼっちは寂しいもんな 

クリスマス休暇はたったの二日。それでもあるだけマシだ。ない奴だっているわけで。一方、休暇中だってのに基地を離れない奴らもいたりする。そんな行き場のない連中でジムはいつもより盛況なくらいだった。ここにいる奴らでターキーでも食えばいいんだよな等と笑う声が聞こえる。独身パーティーに巻き込まれるのはそれはそれで面倒だなと早々に切り上げてシャワーを浴びる事にした。勿論行き場はない。今から街に繰り出したら、一晩の相手を見つかるだろうが事もないだろうが、それもどうも面倒だ。
シャワーブースを出ると一体の上裸が通り過ぎて行った。ハングだ。頭にはバスタオルを被っているが、肉の形が綺麗すぎるからすぐに分かる。
「ひとりぼっちは寂しいもんな。連みたくなる連中の気持ちもわからなくはない」
自嘲の息に混ぜ、世間話染みた事を口にしたのは何故だったのか。タオルを被ったままハングはピタリと足を止め、振り向かずに僅かに顎を上げ、こう問うた。
「お前家族は?」
「俺に家族はいない」
「そうか。俺にはいる。爺ちゃん婆ちゃんと母ちゃん父ちゃんと姉貴と兄貴と兄貴…一番上の兄貴だけは去年他界」
「…帰らないのか?」
「そうだな」
気まずい沈黙。
「「お前、飯は…?」」
沈黙を回避したかっただけだ。お互いに。

ルスハン 続き 

続きはこちらで連載することにしました!

pixiv.net/novel/series/1183058

ルスハン 告白?いや、独り言 

続き楽しみにしてますっ!☺️

ルスハン 告白?いや、独り言 

コメントありがとうございます!や、やっぱり続くんですかねこれ?!😂何かの機会に続けられそうだったら頑張ります💦

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。