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良い夫婦の日(金赤R18) 

授業終わりに近づいてきて「君、名前は?」と尋ねた男に「知らん奴に名乗る必要が?」と返した。シカトして構堂を出ようとして腕を掴まれた。
男は如何にも人好きのするクシャリとした邪気のない笑顔で「ごめん。君の言う通りだ」と言って名乗った。そしてまた俺の名を尋ねた。
それ以来えらく懐かれ「君が好きだ」「付き合おう」等と当然のような顔で言ってきた。
金髪長身、真っ青な瞳の男は、俺が知らなかっただけで学内ではちょっとした有名人だと知ったのは、その男と寝るようになってから。とある大企業の御曹司だとか。
大学を卒業する頃までダラダラと関係は続き、そして男はやはり当然のような顔で言った。
「僕は卒業後、二年ほどで結婚する。君も祝ってくれるだろう」と。
俺を抱いた手は今は彼の首元でタイを締めている。夜会に出席しなければならないという話は聞いていた。
「祝ってやる。つまり今日でお前とのセックスも最後って訳だな」
咥え煙草で素っ裸のまま、曲がったタイを直してやると顎を引いた男が俺の髪に指を絡めて笑う。
「は、何の冗談だ?君と別れるとでも?」
唖然として見つめ返す俺に「期待して良い。僕は彼女の良き夫になり、君の良き愛人になる」と言って毛先にキスを落とした。
良い夫婦が聞いて呆れる。殴っておくべきだった。

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