EUの戦略については、こちらにプレスリリースがあります。解説するニュースも出ると思いますが、まずはソースにあたってみましょう。

EDPS launches pilot phase of two social media platforms
edps.europa.eu/press-publicati

以下は私の解釈です。

EUは、EU以外が提供するプラットフォームに依存して情報発信をしていては独立性が確保できないため、自らの手で発信しようとしています。

そして、広告をはさまず、個人情報を解析させない、プライバシーとデータを保護する代替のソーシャルメディアを提供しようとしています。

この役割を果たすものとして、今回はマストドン(Mastodon)とPeerTubeが選ばれたようです。

マストドンはTwitterの代替、PeerTubeはYouTubeの代替となるシステムです。

いずれも、ActivityPubと呼ばれる、SNSをWebのような分散型で実現するプロトコルに基づいて設計された、実績のある仕組みです。

これは政府・行政に限ったことではなく、ニュースメディアも、アーティストも、自分自身のコンテンツを自らで保有し、世界に発信するために、プラットフォームに囲われる必要がないことを意味します。

自分のサーバから発信するのですから、勝手に消されたりしないし、本物を証明できるのです。

ただし、これがどんなに合理的な仕組みでも、いまはみな、TwitterやFacebook、YouTubeを使っていますから、そこに向けて発信するしか選択肢がありません。

ですから、EUのような大きな組織がこうした方法で発信を始めるというのは、世界を変えるきっかけ、大きな後押しになる可能性があります。

奇しくも我々は、Twitterの買収という大きな変化を目の当たりにしています。

私企業、まして大株主による非公開企業の運営の元に、国家もメディアも依存している構造で良いのか。我々にできることは何か。

そうそう、うまくはいかないかもしれません。
でも、考えるヒントにはなるはずです。

Twitterに、EUのMastodonのこと書いてきたよ。

twitter.com/noellabo/status/15

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EUがマストドンサーバを開設したニュースがでています。動画配信用にPeerTubeも設置しています。

これ、何か人を集めてプラットフォームにしようと企んでいるように見えたかもしれませんが、そういうことではありません。

一般のユーザーは登録できない、公式発表・情報発信を担うサーバの開設です。

この仕組みのメリットは、情報発信する組織や個人が、自分で公式のコンテンツを発信できるということ、

プラットフォームの顔色を窺うのではなく、自分自身の責任と権限でコンテンツを保有し、情報発信できるということです。

政府・行政機関がマストドンを自分で運用するのは当然の選択と言えます。

我々一般のユーザー・あるいは国民は、それぞれ自分のアカウントを自由な場所に作成し、そこから公共サービスを提供しているサーバのサービスをフォローしたり、リツイートされてきたものをみる形で利用します。

Twitterがつける公式マークではなく、本物の発信元であるかを確認すれば良いのです。

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Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。