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保守作業《メンテナンス》は、今も続いている。

人類の歴史は、保守作業の歴史だったと言っても、意義を唱えるものは、そう多くはあるまい。人類に進歩という表現があるとすれば、進歩が保守作業という母体の中から誕生したと言っても、暴言だと言いきれる人は今はもういまい。人類は、その種子の最後の一粒が死に絶えるまで保守し続ける生物なのかもしれない。保守作業の中で膨大な量の血と涙と知恵が費やされていく。その中で、様々な人々の夢と野望が燃え尽きていく。だが、いつの世も、その中で世界を良きにしろ悪しきにしろ、変えようとする野望を持った人間がいた。その野望が世界をどう変えたか、それを評価するのはその時代の人々にまかすしかないのかもしれない。なぜなら、世の歴史家の評価など、歴史家の生きた時代によって様々に変化して行くものだからだ。だが、歴史上に名を残し、世界を変えたいと野望を燃やし、人間の歴史の中に砕け散っていった人々がいた。人は、そんな人間たちを、英雄と呼ぶ。

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