『水星の魔女』の一番の懸念は、結局これは既存のシステムが様々なもの(対立していたものも)包摂するようなシステムになり得る可能性を、お互いの歩み寄りを示すとことで終わるのかな、と言うところで、
それは結局、本当は包摂できる自分たちのこの社会という、ある種の社会を構成する自分たちの肯定の物語になるのではないか、と言う懸念なのですね。
資本主義の論理に潰されていたミオリネが、資本主義のルールに乗ることでうまくいっているように見える描き方は、その象徴でもある。
これは多分小林監督がやってきた、若年層が組織の中で抑圧された結果として持つ自他を巻き込む有害さを、どうやって解消するか、をテーマにした青春ものの流れにもあるのだと思うのですが…。
一方でそれでは治らない話はたくさんあって、それはたとえば、水星の世界では同性愛は偏見を持たれるものではないけど、しかし視聴者や視聴者が生きる世界(脚本もそのように思える時があって、それは作り手も同じであることを示唆する)はそうではない、と意識して描かれる作劇であったりする。
あるいは、そのような包摂があってもジェンダー化された役割に基づく悪さが様々なところで意識的に描かれていて、この二つの間の矛盾であるとか。それはミオリネのトロフィー性がジェンダーと関わっているのかが、
「報告書は、安全保障についてもっぱら軍事的な視点だけで論じており、その視野が狭いことも課題である…統合的アプローチの視点からすれば、報告書の内容は真逆のアプローチのようである。あたかも国家総動員のように、経済・国民生活だけでなく、研究、インフラ、情報、国際協力など、……様々な分野を一つの目標(軍事的な防衛力の強化)に向かって、直接的に集中させようとしているからである。これでは、防衛力の強化が達成されたとしても、別の分野で厄介な問題を生み出しかねない」
ついつい、戦間期の経済史研究者として、安易ななぞらえは禁物と思いつつも、「高度国防国家建設」というワードが浮かんでくるのは抑えられませんでした。イメージ先行で何がどれだけどうして必要なのか、肝腎なことが置き忘れられているように懸念されてなりません。
敵基地攻撃能力と防衛費倍増は、日本の安全保障を危うくする https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022121400008.html
私自身、昨今の政府の物事の進め方には疑問を感じていますが、政策論の観点から論理的にその問題点を指摘してくれています。多くの方に読まれることを願います。
「日本経済と国民生活に負担を強いてまで、専守防衛政策から抑止政策に転換することが、安全保障の状況を改善するか否かが、最重要の論点となる。たとえ防衛力が強化されるとしても、反比例して国力が低下すれば、安全保障の状況は総合的に悪化するかもしれない……しかし、報告書は、安全保障の状況を改善する手法について、敵基地攻撃能力等の防衛力強化ありきとしているため、その最重要の論点にまったく答えていない」
例のトマホーク500発、これはすべて米軍需企業レイセイオンが受注する。つまり、日本の市民の税金がそのまま米軍事企業の口座に振り込まれる、ということ。しかも、これは当然ドル建てであるから、円安になれば、市民の負担も激増する。
もちろん、では日本の三菱重工や川崎重工、小松製作所が受注すれば、「内需」になってよい、ということではない。
ただし、現実は、今の日本軍需産業は、とうてい米軍需産業の水準には遠く及ばない。
そこで、大学を動員して、軍事技術開発を進めようとする動きが活発化している。近年メディアを騒がしている「デュアル・ユース」の議論はその一つ。
WWII以後、日本の物理学は素粒子物理などの「基礎科学」において世界の最高水準を維持して来たけれども、「軍事研究」に繋がるような「応用」研究は禁欲してきた。そこで、既存の軍事産業では間に合わない「研究資源」を動員しよう、とする話だ。
研究資金を減らされて青い吐息の大学に「軍事研究」枠に応募すれば、膨大な「研究費」を補填する、との露骨な「利益誘導」も仕掛けられている。
しかし、そこには東アジアにおける日本の安全保障は「中国脅威論」に基づいた日米同盟で、本当に安定化するのか、という根本的な問いが抜け落ちているのではないだろうか?
8話、ガンダムを兵器として売るかどうかのところ。兵器と戦争の物語を書き続けてきたガンダムシリーズだから、「ガンダムは兵器が妥当」という前振りは必要なんだろうなー…。とくにこだわりなく兵器でいいって言い捨てる社長に、社員ら戦災孤児の視線が刺さるし意見を変えさせるしで結構シビアなシーンだったよな。
これ見ると、ミオリネ特権の位置で物言い続けてたらスレッタカから遠ざかるしなかいよな。まあスレッタはアーシアンではないのでそこは浮動性があるのだけれど。ほんとスレッタがどっち転ぶかわからんわ。
スレミオもだけどアーシアンの皆も幸せになって欲しいわ。従来のガンダムシリーズみたいに、決闘システムじゃなくて戦争中の設定だったらもう何人か戦死してるポジだよね、アーシアンのみんな。(学園もののテイで四人目のエランが処分されるような世界観だから怖いよね…)。
水星の魔女、体調崩したりクソ防衛費の話のせいで感想書く気が失せたけど、10話まで見た。
事業を始めるミオリネは文句言いながらも充実していそうで、やっぱハイソな世界の人だったなーという距離感。ていうか、地球寮に平然と来てたりしてたのがもともと非常に稀有な状態だったのか。エランとのデートの誘いも一発目は「ロミジュリったら許さない」から、あまり間を置かずに「仕事づきあいになるから上手くやれ」という冷めっぷりで結婚が妨害されてたらそれでいいって打算にしか見えなくてもおかしくないね。
安直な百合消費させない狙いでもあるのか…でも同性愛視点からみてもロマンスがなさすぎてよ。やっぱOPEDのような手を取り合って走るスレミオ見せてたらさぁ。
でも、やっぱりたぶん、ミオリネはまだ自分の好意は相手にちゃんと見せないと分からないってことに気づいてないだけで、本心はスレッタに現ホルダー以上の好意を持っていることは確かなのよね。7話とかビジネスが絡むと打算も入り込んできてわかりづらくなるけど、9話のシャディクととスレッタの差がなんだったかっていうと、スレッタはグエルに「ミオリネへの謝罪」を求めて決闘したっていうのはものすごく大きかったんじゃないかと。
あと昨日久々にTwitterを巡回して思ったのは、独裁政権で暮らす人ってこんな感じじゃないかなということ。昨日のBAN祭りについて「さすがにやりすぎでは」という声も多かったけど、イーロンを擁護する声も多かった。「プライベートジェットを追跡するのはよくない」と。当然それがあれだけのBAN祭りをする理由にはならないのだけど。
イーロン信者はもとより、そうでない人も人は変化を嫌うので何だかんだ理由をつけて現状を肯定してしまうんじゃないかなって。
今回イチSNSでの話だけど、秘密警察や密告が横行するような独裁政権の国で、ある日突然隣の人が秘密警察に連れて行かれて帰ってこないという状況が起きても「政府に逆らうから」「政治活動なんかするから」「◯◯人だから」と連れて行かれた方に理由をつけるんだと思う。それでそれに該当しない自分たちは安全だと思い込もうとして「ささやかな日常」を守るんだと思う。
漁業の署名URLあります
ぬまがささんが拡散していたので貼っときますわよ!署名して出すのだ!
https://t.co/PS1SOFTpi2
反差別等について終わりなき勉強中。トランス差別に反対します。フォローはしない方針。21年4月から肉・魚やめた。乳・卵も極力避けてる。オタ話もするよ。