『ラストマイル』も観たよ!
面白かったし良くできた作品だと思う。あらゆるものが安く早く手に入る現代社会が何を犠牲にしているか、という明確な批判でもある。
なんだけどやっぱりわたしは人間の労働力に対する賃金の安さや過酷な労働環境に対して「損害が大きいから要求を呑むべき」という交渉(わかるんだよ、そうしないと動かない、ということも。それが交渉だということも)に終始してしまうことにやっぱ嫌だ〜!の気持ちがあるんですよね。人間の生活、文化的で最低限度の生活を保障しないことは「人権侵害」であると認めろよ、の気持ちがずっとある。
あとやっぱねえ、配送ドライバーって個人事業主扱いゆえに、個々人が不満を持っていてもそれを掬い上げてもらえない、という部分があると思ってて。結局ヤギさん他「従業員」に迷惑がかかってはじめて「どうにかしろ」という言葉が出てくるのも、示唆的ではあるんだけど、なんかもう少しうまくやってほしかった気持ちもある。ドライバー親子を見ながらケン・ローチの『家族を想うとき』を思い出したので……。
続編は岡田将生が労働組合に入って(あるいは立ち上げて……でもあんな大企業に労組がないことありますか?)社内の環境改善に奔走する物語とか、やりませんか? 連合みたいな労働組合の上部組織が最終的なヴィラン。観たいです。