White Riot (2019)
ドキュメンタリー『白い暴動』。70年代末期、移民排外主義やファシストを支持した英音楽界のアイコンたちは、その後いかに取り繕い(あるいは悔い改めて)今に至るのか。本作が描くのは“表現者の社会的責任”というレイヤー。そしてそれは、僕を含む呑気な日本の洋楽ファンには当時も今もほぼ伝わってこなかったものだ。
“作家と作品は切り離せるのか”
日本ではまたぞろそんな議論が再燃中なわけだけども、情報伝達の基本構造が変わって、人の舌禍や非道を否応なく“知ってしまう”いま、社会との関わりや責任にあえて頓着しない表現者については、作品との切り離しはいよいよ難しくなるだろうと思う、個人的には。
別物として鑑賞する、ってやっぱり無理でしょ。こちとら批評のプロでもなければ仕事でもないわけで。映画でも音楽でもそれでずいぶん疎遠になるケースが増えてしまった。そんな訳で「お願いだからこれ以上愉しみを奪わないで頂戴」とプルプル震えつつ祈る心境なんです本当に。
この『白い暴動』とイギリス最悪のsexual abuserを追った『ジミー・サビル: 人気司会者の別の顔』は、この問題を考える良い参考書だと思いますので皆さん機会があればぜひ。
No hate & No sexism. A very very ordinary opinion as a voter