在学中ずっと好きだと言い続けてたユーリくんを卒業式の日にこてんぱんに振って7年後の同窓会で再会した時に左手の薬指に指輪してユーリが結婚したと盛り上がってるのを見て「俺の選択は間違ってなかったんだ…」と9年の片思いに終止符を打つ担任のレイヴン先生①/ユリレイ
「酔いすぎだろ…」
「だってぇ〜〜〜〜みんなが勧めてくるんだも〜〜〜〜ん♡」
あひゃひゃとユーリの背中を叩いて笑う酔っ払いのおっさんに8階でいいよな、とエレベーターのボタンを押すユーリを横目で見ながら(覚えてたんだな…)と一度だけ家に上げたことを思い出すレイヴン。
酔い潰れる直前で連れて帰ると唯一レイヴンの家を知っていたユーリが名乗り出て今に至る。
「まさか青年が結婚とはねぇ〜〜〜いやぁ、嬉しい、嬉しいよぉ〜〜〜このまま真っ直ぐ突き進んでいきなさい!!!」
「耳元で喋んなって、鍵取るぞ」
上着のポケットから鍵を取り出して開けると靴を脱ぎ捨てて寝室は?と聞かれてエッチ♡と返事をしたのでリビングのソファーに寝かせる。
「俺は帰るぞ」
「ん〜〜〜…あんがとね〜〜青年…」
あんな酷い振り方した男にも面倒見がいいわね…と連絡手段も卒業式の日に全て削除したからもうおしまい、とへらっと笑いながら手を振るが「バイバイ」の一言が言えなくてクッションに顔を埋める。
ユーリにずっと好きだと言われて嬉しくてそれでも自分は教師で年上のしがないゲイのおっさんで今ならまだ選択肢があると徹底的にユーリの愛情を否定して貶して嘲笑って振った事を今もずっと引きずってて…同窓会の知らせを貰った時に真っ先にユーリに会いたいと思ってしまい参加したレイヴン先生②/ユリレイ
「……おっさんのこと好き"だった"ぜ」
「はいはい、さっさと奥さんのとこ帰りなさい」
「ああ、そうする。鍵かけてポストに入れとくからな」
「はーぃ……」
明るめの声で返事をしたレイヴンが玄関が閉まってガチャと鍵がかかる音を遠くで聞いてう"ぅぅ〜〜〜とこれまで経験したどの失恋や別れよりも辛いウルトラ級の失恋の痛みに唸るレイヴンが「俺は今も好きなんだよ"ぉ〜〜…!」とヤケクソに吐き捨てる。
「やっと言ったか」
頭の上から聞こえてきたユーリの声にレイヴンが顔を上げるとひでぇ顔と学生の頃と変わらない笑い顔でこんなのでも役に立つんだなとスマホリングが外れたスマホカバーと薬指のリングを見せる。
「くっそぉ…何よぉ〜…最ッ悪……俺の9年、一体何だったのよぉ……」
「へぇ………そりゃ、初耳だ」
しまったと思ったがレイヴンが鼻水や涙でぐしゃぐしゃの顔を隠す前に唇にキスされてそのまま片思いに終止符をうって恋人としてスタートしてほしい。🔚