まずA、
民俗学、宗教学(神道)、神道学の博士/修士を取得できる大学は、現在世界中で『國學院大学一校のみ』です。
次にB、
神道の実践者として本を書ける存在だと「世の中にカウントされるためには」、最低限、神職としての神社への奉職が必要になります。(巫女でも可ですが)
そのためには『神社本庁傘下の養成所』か、『本庁と密に連携する國學院大もしくは皇學館大』で資格を取得する必要があります。
なお他の教派系神道の資格はこの限りではありませんが、実際はそれぞれの教派で職員の教育を賄うことは体力的に難しいため、本庁と提携している教派が多いです。
最後にC、
神社本庁上層部は明治政府とファシズム礼賛の極右ですし、フェミニズムを支持しませんし、マイノリティの人権にも興味がありません。
本庁と相互に意向を反映しながら動いている神政連はもっと明確に差別扇動を行っています。
各養成所や大学では反人権的な講演や講義が度々行われています。
なお本庁は傘下の神社、大学や養成所の人事権を掌握しています。
本庁の意向に逆らって同性婚支持等を行うのは、かなりの覚悟が必要です。(数年前に本庁で内部告発を行った方は即座に懲戒免職されました。それを不当だと最高裁まで争い勝訴しましたが、それでも尚、神社界に完全に戻れずにいます)
ただ、神道は、本庁のものでも神政連のものでも国ものでもなく、我々地べたで実践を行うものたちそれぞれのものです。
本も論文も出せなくとも、我々は存在していますし抵抗していますよ、とお伝えしておきます。(うちの神社は日の丸も掲げませんし祝詞に天皇崇拝の文言も入れません)
ついでにいうと神道はそもそも思想体系ではなく呪術という技術の体系なので、それらに関してはゼノフォビアも選民思想も家庭も天皇制も(全くとは言えないものの)無関係のものが多いです(口伝が多く、民俗学のフィルターを通してしかほぼ世に出ていないところが難点…)。
また(神話ですが)歴史書としては、風土記は朝廷の命令で作ったはずなのにかなり反朝廷反皇祖神な内容も多く面白いです。
恩師の本はセンシティブすぎて補助線引きまくらないと誤読するタイプの本なので、神道に触れてきていない方にお勧めはしません…