街角で、「あっ、納豆の匂いがする」と思って匂いの元をよく探してみたら、それはコーヒー屋さんから漂ってくる匂いで、つまりは、コーヒー豆の焙煎をしている時の香りだった。それに気づいた時には、「バカッ！バカッ！」と、自分をタコ殴りにしたくなったのだけれど、したくなっただけであって、もちろん実際に拳でもって頭を殴りつけたわけではない。食欲をそそる納豆の匂いと焙煎した時のコーヒー豆の香りが隣り合った引き出しに入っている私の嗅覚に幸あらんことを。