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今井むつみ、秋田喜美『言語の本質』読了。
認知科学・発達心理学者と、言語学者の共著による、「ことばはどう生まれ、進化したか」(副題)に迫る本。

ええと、読んでも言語の“本質”は分からなかったというか、何をどう説明されれば“本質”と思えるのかが、わたしには分からなくなったというか。“本質”って、なに?

ざっくり2/3ほどがオノマトペの説明に費やされ、オノマトペについては分かったような気持ちになれました。オノマトペは体感に接地しており、音声によるアイコンであって、言語の入り口であり、でも抽象的・概念的なものは表せないだよ、ということでした。たぶん。

まず、記号接地問題(それを体感せず実感を持たないままにそれの意味を理解することは可能なのか)が提示され、そこから、オノマトペとは何か、オノマトペは言語なのか、といったことが紐解かれていきます。
そして、オノマトペを拡張し援用し、身体的感触から離れ論理的な言葉を覚えていくのは、ブートストラッピング・サイクルというシステムにあると、推論を立てていきます。
物事には名前がある、単語には意味がある。では、他の物事にも意味があり、他の単語にも意味があると、推測していくことかな。
この、推測していくという行為は「仮説形成(アブダクション)推論」と呼ばれ、帰納推論とともに、人間に特徴的な思考バイアスである、といったことが書かれています。
“「AならばX」を「XならばA」と過剰に一般化することは、人間には日常的に頻繁に見られることである”と書かれ、“対称性推論をごく自然にするバイアスがヒトにはあるが、動物にはそれがなく、このことが、生物的な種として言語を持つか持たないかを決定づけている”という仮説があると書かれていて、ほへーっとなりました。

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