泉鏡花『外科室・天守物語』読了。
東雅夫編の短編集。新潮文庫。
表現が強いのに場面がポンと飛ぶので、「待って、ちょっと待って、今のどういう意味?どういう繋がり?」となることがあまりに多くて、話についていけませんでした。
だけど情景描写はバチクソに上手くて、無造作にどこを抜き出しても絵になります。
表題作の天守物語は戯曲で、最初に登場人物の説明があり、ト書きは場面の説明で、台詞は状況の説明なので、やっと話についていけました。
まあでも、読めてないので、本当に読めてないので、感想はありません。
“蓑を取って肩に装う、美しき胡蝶の群、ひとしく蓑に舞う。颯と翼を開く風情す。それ、人間の目には、羽衣を被た鶴に見える。
ひらりと落す時、一羽の白鷹颯と飛んで天守に上るを、手に捕う。”
(泉鏡花『天守物語』より)
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