青野利彦『冷戦史』読了。
地政学的利益とイデオロギー対立を、米ソ超大国、ヨーロッパ、東アジア、第三世界の四つの視角から見ていきます。
冷戦は米ソの対立構造ではありますが、米ソが主導する一方的なものではなく、米ソ周辺国の動きも米ソの関係に影響を与えたのだと、繰り返し説かれています。
なんかこう、NATOとワルシャワ条約機構以外にもいろいろあるなって感じなんですが、そのいろいろがまだよく飲み込めてないです。
日本語で日本人読者に向けて書かれた冷戦史なので、西側から見た冷戦史だなといった印象です。あとは、第三世界の動向はちょっと食べ足りないなあといった感じです。
第二次世界大戦後、旧植民地の各国はアメリカに援助を期待したが、アメリカの人種差別的な対応で、ソ連に傾倒していった、とか。
冷戦とは言うものの、朝鮮、ベトナムと東アジアでは熱戦が展開された、とか。
中ソの関係の悪化は米ソの関係を緩和した、とか。
解説されると、そういやそうだなあ、と。
カーター大統領が映画『ザ・デイ・アフター』を見て核戦争の悲惨さに衝撃を受けてるくだりは、ちょっとびっくりしました。たぶん、その当時の空気感の象徴的な逸話として取り上げてる感じなんだと思うんだけれども。
え、映画を見て?と、ちょっとびっくりしちゃうよね。
#読書
この帯、いいよね!