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伊坂幸太郎『魔王』読了。
政治改革を訴える野党党首がカリスマ的な支持を集める中、その大衆の熱狂に主人公は危機感を抱く。書かれたのが2004年の小泉内閣の頃で、当時の政治的な熱気が如実に反映された小説だと思います。

で、ええと、これが、主人公(=作者?)の危機感とか違和感とか主張とか疑問とか意見とがゴツゴツとしていて、超能力っぽいものも出てくるんですが、あんまり小説になり切れていないというか。
思想を込めるにしろ、ドストエフスキーぐらいやれば読みではあると思うのですが。

主人公の気分とわたしの気分は近しいところにあると思うんですよ。わたしは応援上映とか一体感を高揚する場を楽しめない人間だからね。
でもこのお話、素朴というかボソボソするというか。
ライブ会場の熱気に主人公が実験的に抗ってみる場面があるのですが、その対抗手段が「イマジン」で。い、いまじんかあ、とヘニョヘニョな気持ちになってしまって。じゃあ何がいいのかって言われても、他に思い浮かばないのですが。

これ続編あるんだよあなあ。どうすんべかな。

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