宮内悠介『超動く家にて』読了。
SF・ミステリ短編集。16編収録されてます。気を置けず読める分、なんだかよく分からない話もあるなあ、と思ってたら、あとがきに作者による解説があるのでありがたい。
叙述トリックとパロディが多い。
叙述トリックもパロディも、偏見だったり思い込みだったりお約束だったり様式美だったりと、まず型があって、そこに挿入する要素を捻ることで成り立っていると思うのですが。捻り方をズラすと、すこしふしぎになるのだなあ、と思いました。
技術が更新されることによって世界は進んでいきますが、そこから置いていかれるもの、忘れられていくものも出てきます。最初に収録されている「トランジスタ技術の圧縮」がそういう話だった所為か、そういう置いていかれるものをちゃんとお見送りをしたい、といったトーンの短編集だと感じました。
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